航空宇宙業界に特化した開発における3つの成功事例をまとめた資料。ENRI(電子航法研究所)やJAXA(宇宙航空研究開発機構)が、それぞれ抱える課題に対し最適解を見出すことで効率よく迅速な開発を可能にしている。
ENRIは、空港の滑走路上の異物をミリ波レーダーによって検出するシステムを無線回路と信号処理と制御システムで構築した。最低1.2GB/sという高速処理が必要なためFPGAを備えたフレキシブル測定器と設計ツールで構成している。
飛行機の騒音を飛行機の真下で測定するというJAXAの事例は、99個のマイクで位相アレイを作り、2台のカメラで飛行機の位置を計測、マッピングデータを作成した。同じくJAXAはロケット打ち上げ後のデータ計測事例において、テレメータシステムを使いロケットの温度や振動、加速度などのデータを送り続けるようにした。このとき起きる、温度などのデータが瞬時に途切れるロックオフ問題の原因がマルチパスであることを突き止め、対策のメドが立った。
3つの事例は、できるだけ低コストで、しかもテスト回路を簡単に製作でき、しかもハードウエアロジックも使えるという拡張性の高い測定システムを使うことで成し遂げたものだ。各事例を実現するために使用した計測システムの概要についても、紹介する。