LED照明が普及してきた。これまでは発光効率や製造コスト、輝度、演色性などで既存のランプを超えられなかったが、徐々に改善が進んでいる。主な用途は、白熱灯、蛍光灯をLEDランプに置き換えることで、消費電力を下げることが求められた。今後、LED照明はセンサーとの組み合わせによってもっと賢くなる。
白熱電球や蛍光灯などと決定的に異なるのは、スイッチに対する応答性がいいことだ。これとセンサーの組み合わせで即時に反応するライトが完成する。特にクルマ向けのヘッドライトやテールランプに採用されており、前方車両や対向車、人などに合わせて、光の方向や輝度、照らす対象を可動部なしに制御することができる。欧州ではクルマのライトはハイビームのまま運転するが、LEDならセンサーと組み合わせ、対向車のドライバーだけロービームに落としまぶしくないようにすることも可能だ。
クルマ以外の用途として、例えば数百台のドローンに取り付けた大きめのLEDで夜空に絵や模様を描く、デジタル花火の実験例も出ている。これからはLEDを使ったスマートライティングによって、光を自在に制御する応用が広がるだろう。そのための素子や設計といった情報収集が求められる。