日本では超高速開発やアジャイル開発は普及が進んでいないといわれている。大企業や大規模システムになるほど、要件定義に始まり、システム設計、コーディング、テスト、移行展開、実稼働--と長い工程を経てシステムは動き出す。しかし、これを打ち破らない限り、ITを使った生産性のアップは望めない。システムは使うだけでなく、作るところからスピードとコストが問題になる。これから日本でも超高速開発ツールの普及が見込まれる。
なぜ超高速開発ツールに注目が集まるか。第1には、素早くシステムを構築してビジネスチャンスを逃さないという米国流の目的がある。当然短期で仕上がれば開発コストも抑えられる。第2は、開発を自社の主導権を持って進めたいという要求があるからだ。部外者には分かりずらいような自社のノウハウを開発に落とし込むため、自分たちになじむように改良を重ね、少しずつ拡張していく。これは日本的なすり合わせの技だ。
これから超高速開発ツールの導入を検討しているところは、様々な仕様をチェックする必要がある。第1にどこを高速化しているのかということだ。「コードを書かない」というのはどの程度か、開発エンジンがどうなっているか、リポジトリの管理、GUIの設計・開発、ドキュメントの生成や管理、XMLやActiveXなどのインタフェースの種類、上流設計からテスト工程までどこを担ってくれるのか、個人技が速くなるのか、チーム力が求められるのか、特定用途ごとにテンプレートがあるのか、ExcelやAccessを味方に付けるのか、開発中にトラブルがあったらサポート体制はどうなっているか、講習会など教育サービスの充実度は?--など無数に確認すべきことがある。
自社のニーズに合わせて、超高速開発ツールは様々な製品が出ている。じっくり比較検討していきたい。