今、世界中で「デジタルツイン」が注目を集めている。デジタルツインはいわば、現実世界のモノやそれらのつながりをデジタルで表現した“双子”。現実のモノに将来発生しそうな事象をデジタルの世界で予測することで、製品に新しい付加価値を生み出そうという仕組みである。
デジタルツインでは製品の使用中に発生する「生の使用状況データ」をシミュレーションに利用する。これにより例えば、不具合の発生を未然に予測して対策を打つといったことが可能になる。だが、デジタルツインの用途については誤解もあり、いまだに製品や施設・設備の物理的な形状だけを模した3Dデータという認識で語られることも多い。
本資料では、デジタルツインとは何か、なぜ必要とされているのか、よくある誤解、留意すべき点などを解説したうえで、デジタルツインで成果をあげるために必要な要素を提示する。デジタルツインは、設計から製造、保守に至るまでの製品に関わる一連のデータ群を扱うための概念であり、「モノ」のデジタルの双子だというだけでなく、それらを「つなげる」部分にも意識を働かせる必要がある。