機械制御に不可欠なステッピング・モーター。このホワイトペーパーでは、ステッピング・モーターの制御システムを設計するときに必要な「ストール検出」に関する基礎知識を解説している。オン・セミコンダクターが提供している位置決めコントローラと制御・診断インタフェースを備えたシングルチップ・ドライバAMIS-30623、同-30624およびNCV70627に沿った内容であるが、普遍的なところから説き起こしている。
ストール(stall、失速)とは、ステッピング・モーターがなんらかの障害物によって動作がブロックされモーターが停止する現象だ。それは、電圧の形で測定しているモーターのEMF(電磁力)の減少という形で検出する。EMFが閾値より低下すると、ストールとして検知するわけである。オン・セミコンダクターのドライバはその閾値を設定できるようになっている。動作開始時からブロックされている場合の検出パターンや、異なるスピードを併用する場合の差分閾値の考え方、外部から瞬間的な力が加わったときのズレの可能性など、様々な現象について解説する。さらにオン・セミコンダクターのドライバに対して、ストール・パラメータの設定法についても解説している。