部品を設計するエンジニアは、その部品がどう組み込まれて、どのように力がかかり、どのくらいの温度にさらされて使われるかを考えて設計するわけだが、当然、材料の特性と、成形加工のことを知り抜いて図面を引かなくてはならない。特に樹脂部品の場合、成形加工のノウハウは金型設計のノウハウでもあり、設計ノウハウとは表裏一体である。
本資料は、樹脂部品の射出成形に関する基礎的な設計ノウハウを図解とともに簡潔に説明した解説書である。少量短納期の射出成形、肉厚設計と肉抜きの重要性、反りを避ける方法、置き駒の効果、ゲートの最適な位置など、多くのトピックスを扱っている。初めて樹脂部品を扱うエンジニアはもちろんのこと、すでに普段の業務で設計・製造にかかわるエンジニアも知識の棚卸しをするのに役立つだろう。ほかにも、今設計している部品が本資料の各項目に関係することがないかチェックすることをお勧めしたい。
試作部品は発注から納品まで短期間で行う必要があり、発注元である開発部門と受注先である試作会社の間では、ネットなどを通じてCADデータをやり取りしながらすぐさま進めなければならない。そのためにも、設計部門と試作部門の間で素早い意思疎通が求められ、このようなクイックリファレンスガイドは貴重である。