自動車の水漏れ対策が不十分だと、車内でカビの発生や高価な電子部品の損傷に結びつく恐れがある。このため、自動車メーカーは組み立てラインの最終品質検査で、2000psiの水圧で車両に水をかける浸水試験を行うが、その確認を目視や触手で行ってきた。しかし、カーペットの下や手の届かない所では見落としもあった。
このホワイトペーパーでは、車内数ヵ所に水分センサを配置し、しかも電池を使わないエネルギーハーベスティング技術で自動検査する方法を提案している。ETC料金収集システムのようにマイクロ波をクルマに発射し、車内のセンサを動作させその水分データを収集し、水を発射する前のデータと比較して、合否を判定する。センサを置いた位置情報も収集するので、どのセンサが水分を余計に吸っているかを同定でき、クルマの水漏れを起こしている個所を見つけることができる。
このホワイトペーパーは、薄くて電池の不要な水分センサを駆使して、クルマ内への水漏れを自動的に検出するシステムを提案している。自動車メーカーにとって省力化につながるアイデアだ。