消費者が成熟し、オンライン・オフラインのあらゆるチャネルを通じて小売業者やブランドとコミュニケーションを取ることが当たり前になっている現代。商業のあり方自体が大きく変化する荒波のなかで、消費者の心を掴むために必須となるのがテクノロジーとデータを有効に活用することだ。 すでに多くの企業が、顧客データが戦略的リソースであることを認識。データ分析から、ターゲットを絞った的確なマーケティングを実施し、成果を上げている先進的な企業もある。
一方で、ブランドにとっての最大の懸念は、フィジカル・デジタル融合型の巨大企業によって、自社製品に対する消費者のアクセスが縮小してしまうこと。これに対抗するために注目が集まっているのが、データ資産のプーリングだ。
データ協同組合の活用はそのひとつの手段。個人識別情報以外の顧客データをプールすることで、顧客満足度を高め、収益アップにつなげている企業も出ている。企業各社が互いに協力してテクノロジーを活用することが、これからの小売業界に活発な競争と、相互の成長をもたらすと期待される。