両手に収まるほどの小さなロボットが、話しかけに応え、生き生きと振る舞う。東京都三鷹市にあるロボティクスベンチャー、オリィ研究所が開発した遠隔分身ロボット“OriHime(オリヒメ)”だ。インターネットを介して、人と人とのリアルなコミュニケーションを再現する。離れて暮らす家族を結び、病気や怪我で社会から孤立しがちな人たちが社会とつながるツールにもなる。
コミュニケーションロボットなので音響は最重要課題。マイクを収める台座部分が、設計上重要な部品だった。精度が求められるため3Dプリンターでは製造が難しく、射出成形で製造する必要があった。さらに同社のようなベンチャー企業では、数百規模の小ロットの発注や、改良や追加発注がたびたび見込まれる。
そこで利用したのがオンデマンド製造サービスである。べンチャー企業ではスピード感を持ったものづくりが成功の鍵を握る。同社は迅速に応えてくれる製造受託サービスを利用し、“OriHime” 最新モデルの3パーツを、それぞれ150個という小ロットで発注し、製品化にこぎつけることができた。