IT資産は(1)クライアントPC、サーバーマシン、モバイル端末、ネットワーク機器といったハードウエア資産、および(2)パッケージソフト、自社開発したプログラムなどのソフトウエア資産、ならびに(3)設計データ、顧客データ、知的財産権などの情報資産――と3つの分野があり、それぞれ広範囲なものを指している。
これらIT資産をしっかり棚卸して評価しなければ、IT部門の活動はおぼつかないものになるだろう。システム改革をするにも、セキュリティ対策をするにも、クライアントPCの稼働OSとパッチの状況、サーバーやネットワーク、そしてサーバー上で動いているアプリケーションなどのバージョンが分からなければ、先に進むことができない。また、情報漏洩が起こってからどんな情報が漏れたのか調べているようでは後手に回っている。いわば、IT資産管理はすべてのITマネジメントの基本であり、要であると言えるだろう。
IT資産を管理するツールサービスには、単に情報を入力しアセスメントをするだけではなく、ネットワーク経由でクライアントやサーバーの情報を集め、システムの修正パッチまで詳細に渡って把握するものが多い。それを基盤に、一斉バージョンアップをしたり、セキュリティホールへの対応を行うのだ。いかに優れたツールやサービスを使うかが、その企業価値を高めることにつながる。