一筋縄ではいかない、中国の越境EC市場
少子高齢化に伴う国内市場の縮小が続くなか、海外販路拡大の新たな手法として注目される「越境EC」。文字通り、国境を越えた電子商取引のことで、2019年におけるその世界市場は約90兆円(経済産業省見通し)とも、それ以上ともいわれている。なかでもEC市場が急成長している中国への期待度は高く、圧倒的な市場規模と日本商品人気を背景に、進出を試みる企業は後を絶たない。
しかし、参入してはみたものの思ったような成果が出ない、売り上げに伸び悩んでいる、という例は多い。最近では大手ECサイトの出店条件も厳しく、新規参入自体のハードルも上がりつつある。そうしたなか、中国越境EC攻略の鍵を握る存在として熱い視線を集めているのが、「ソーシャルバイヤー」という存在だ。爆買いの火付け役ともいわれる彼らだが、一方では2019年1月に施行された「電子商務法(新EC法)」の影響を不安視する声も少なくない。
ここでは、ブランド認知の拡大と販路開拓を担う「ソーシャルバイヤー」を活用した、中国越境EC市場で商機を掴むための方程式をひもといてみる。