DM、電話、セミナーを通じた営業も成果につながらず
顧客を訪問して、自社の製品やサービスについて提案し、商談を進めて、契約を取り付ける──。いうまでもなく、これが営業担当者の仕事である。
しかし、営業担当者の日々の業務内容をつぶさに見てみると、そうした業務に十分な時間を避けていないことも多い。中でも、営業担当者が定常的に多くの時間を費やしているのが会議だ。
この会議の問題に気付き、解決したことで、大きく飛躍した営業チームがある。システム開発(SI)をはじめとするIT関連サービスを提供するJBCCのある営業チームだ。売り上げ成績がJBCC社内で全国最下位だったチームが、一気に200%の売り上げアップを実現したのである。
同社は、長年培ってきた豊富な知識と経験、高度な技術力を生かし、これまでに、流通・製造・金融・公共公益・医療など幅広い分野のおよそ1万8000社のIT活用を支えてきた。サクセスストーリーの主役である営業チームは、この中で主にSIサービスにフォーカスした営業を担当する20~30代の若手担当者4名で構成されたチームである。
「もともとは、既存顧客と新規顧客の双方を対象としていましたが、それぞれへのアプローチ方法が異なり、営業施策の統一が難しいことから、新規顧客の開拓にターゲットを絞りました」と同チームのマネージャーを務める常盤 盛和氏は話す。
だが、DMを発送し、電話をかけ、セミナーを企画するなど、様々な施策を展開したもののなかなか成果につながらなかったという。「結果、チーム立ち上げ初年度の目標売上達成率は60%。JBCC社内の営業チームとしては、全国最下位という数字に終わりました」と常盤氏は明かす。
この事実にショックを受けたメンバーは、何が問題なのか、自分たちの仕事を見直した。そこで浮上したのが、冒頭で述べた会議だったのである。次ページからは、彼らが具体的に何を課題と捉え、それをどのように解決したのかを見ていこう。