IGBT(insulated gate bipolar transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は、少数キャリヤの注入によって,MOSFETより動作抵抗値を小さくできる3端子バイポーラMOS複合半導体素子。発熱量の大きい大出力トランジスタとして使われるため、大電流で熱などの環境にさらされるなかで製品の堅牢性が求められる。
本レポートでは、オン・セミコンダクター製IGBTを使った基板の堅牢性を評価するために、(1)ゲート電圧定格、(2)短絡電流定格、(3)UIS定格、といった3つの測定値においてどのように堅牢性を評価すべきか、さらに各種試験の適用方法についても解説している。これら3つの測定値は、それぞれ異なる動作分野を評価する軸になっており、組み合わせることでIGBTにおける異常な過渡現象に対する知見が得られる。これらの定格を超過するとデバイスの信頼性と寿命が悪影響を受けることになる。ウェハの薄型化に伴うダイの厚さと電圧ストレスの関係についても検討されている。