「デジタル・トランスフォーメーション」とは、ITを使った経営改革のこと。特にインターネットを使って、従来の業種業態にとらわれず、既存のビジネスを飲み込み、ひっくり返してしまうほどの変化を意味している。
例えば、米Uber社はインターネットを使った自動車の配車サービスで成功した。この“未来のタクシー会社”は1台もクルマを所有することなく、登録された自動車とドライバーを手配するだけで商売を成り立たせている。これは単に、民泊や空き駐車場に応用されるだけにとどまらない。金融業界や医療業界、出版業界などあらゆる業界でデジタル・トランスフォーメーションが始まっている。SF映画「トランスフォーマー」で、自動車があっという間に巨大ロボットに変身してしまったように、未来の自動車メーカーが、インターネットにつながったコネクテッドカーによる自動運転によって、未来の交通網の風景を塗り替えてしまうかもしれない。
これだけスマートフォンやクラウドサービスが普及した世の中において、企業がデジタル・トランスフォーメーションを果たすために、絶対通過しなければならないのが、アプリの開発である。HTTPなどのインターネットのプロトコルで通信できるシステムやアプリケーションの開発を、企業はいかに素早く開発できるかにかかっているのだ。本レポートでは、そのためにWeb API活用の必要性を説いている。開発者は各社が提供するWeb APIを利用することで効率的に開発を進めることができる。そして、Web APIを提供する側に立つならそれをセキュアに運用できる基盤が必要になる。部下や他部署の人間が「デジタル・トランスフォーメーション…」という言葉を口にし始めたら、何を考え始めなければならないか。その一歩を与えてくれる。
