資料の紹介
「競争の戦略」で有名な、ハーバード大学大学院で経営学を教えているマイケル・ポーター教授が日本で講演した動画を3回連載でご紹介するシリーズの2回目。今回はポーター教授と一緒に論文を執筆した米PTC社のジム・ヘプルマン社長も登壇した。
IoT(モノのインターネット)に関して世間では、フィジカルとデジタルの2つの関係を取り上げることが多いが、ポーター教授とヘプルマン社長は「そこに人がどのように介在するかが大切だ」と主張する。フィジカルとデジタルにはそれぞれの強みがあり、さらに人の強みである「予想外の事態に対応できる」「器用である」「創造力がある」をフィジカルとデジタルにどう結びつけるかが、企業競争を変え、競争の戦略を変えることになるという。その切り札がAR(拡張現実)だという。
講演の中では、センサー搭載のテニスラケットを事例として取り上げ、ARを併用することでフィジカル体験とデジタル体験を一度に体験できる様子を紹介した。他にもフロントガラスに映る実際の道路とカーナビ情報の組み合わせといった事例など、これからは、接続機能を持つスマート製品(スマート・コネクティッド・プロダクト)に、ARなどの技術が加わることで、人の体験を瞬時に結び付けることに競争の変革が起こると述べた。