資料の紹介
「競争の戦略」で有名な、ハーバード大学大学院で経営学を教えているマイケル・ポーター教授が日本で講演した動画を3回連載でご紹介するシリーズの最終回。ポーター教授と一緒に論文を執筆した米PTC社のジム・へプルマン社長も講演した。
最終回ではこれまでの2回の中で触れられた「スマート・コネクティッド・プロダクト(接続機能を持つスマート製品)」と「AR(拡張現実)」がもたらす影響を踏まえた総括編になっている。
ポーター教授は、企業がこれらイノベーションの登場によってどのような戦略的選択を取るべきか、10個の類型を提示する。その事例として、独BMW社や米テスラモーターズ社をはじめ、農業トラクターメーカー、血液検査機器メーカーなど幅広く紹介している。事例の中で、「バリューチェーンへのインパクト」「製造デザインへの新たな考え方」「新たなサービス提供のアプローチ」などが解説された。さらにポーター教授は、製造、販売、メンテナンスといった古くからある企業の中の組織のあり方も変わるだろうと予言。IT部門から独立したビッグデータを扱う統合型データ部門や、マーケティングや販売ではなく顧客成功管理部門など、新たな戦略的思考が次々に飛び出す。